栃木県栃木市岩舟町

相良酒造

『朝日榮』『東照』『三毳山』
相良酒造

栃木の自然と水に寄り添い、丁寧な酒造りを追求

初代の志を継ぐ、静かに進化する蔵

相良酒造は1831年(天保2年)、創業者・相良與平が「日本酒の8割を占める水」に理想を求め、清冽な水を求めて栃木県岩舟町の地に蔵を構えたことに始まります。初代が惚れ込んだこの地には、今も日光連山を源とする伏流水が湧き出し、創業以来変わらず酒造りに使われています。

時を経て10代目を継ぐのは、東京農業大学で醸造を学んだ相良沙奈恵さん。酒類会社での修行を経て2013年に蔵に戻り、翌年には製造責任者として蔵を支える存在となりました。父の意思を受け継ぎ、「酒質向上を通じた恩返し」を胸に、お客様と地域に寄り添う酒を目指しています。

蔵の代表銘柄「朝日榮」は、2023年のG7日光会合のレセプションでも提供されるなど、静かにその評価を高めています。青葉に寄り添う朝露のように、透明感と凛とした味わいを大切にしながら、栃木の自然とともに歩む蔵の歴史は、今も穏やかに、確かな歩みを続けています。

果実実る里に湧く、やさしい水とともに

相良酒造が蔵を構えるのは、栃木県栃木市岩舟町。県南部に位置し、佐野市と隣接するこの地は、人口約2万人の小さな町ながら、自然と農の恵みにあふれています。周囲にはのどかな田園風景が広がり、農家が多く、特に果物の栽培が盛ん。いちごはもちろん、巨峰やシャインマスカット、さらには顔ほどもある大きな梨「にっこり」など、多彩な果実が育つ肥沃な土地です。

そんな自然に包まれた岩舟町の地中から湧き出るのは、日光連山を水源とする伏流水。やや軟水寄りで、口に含むとほのかに甘みすら感じられるまろやかな水です。このやさしい水を生かし、相良酒造では繊細で透明感のある酒造りを目指しています。果実が育つ土壌と清らかな水が共存するこの土地は、まさに自然の恵みが酒造りに活かされる場所。その風土が、相良酒造の味わいの源となっています。

基本に忠実に、やさしさを醸す酒造り

相良酒造は、日光連山の伏流水と、栃木の穏やかな気候に育まれた風土を活かし、料理に寄り添うやさしい日本酒を醸しています。酒造りは基本に忠実に、低温発酵を中心とした丁寧な工程を大切にしています。

使う原料は、地元・栃木県産を中心にしながらも、目指す味に必要であれば県外の米も柔軟に取り入れるスタンス。蔵の個性は派手な香りや強い主張ではなく、やさしさや調和の中に滲むもの。季節商品では酵母をブレンドして香りを抑え、食中に自然と馴染むバランスを意識しています。

特別な日の一杯よりも、毎日の食卓に寄り添う酒を。穏やかな風土と、誠実な手仕事が生む相良酒造の味わいは、飲む人の心に静かに届く力を持っています。

そおと寄り添う、朝露のような酒を

相良酒造の酒造りの根底にあるのは、お米と心を通わせるように向き合うという真摯な姿勢です。どんなに忙しく、心がざわつく日でも、お米を前にすれば自然と心が整う。そんな静かな覚悟をもって、一つ一つの酒を醸しています。

蔵を支えるのは、女性当主とその母を中心とした家族と、少人数のスタッフ。派手さよりも、日々の食卓にそっと寄り添い、自然と杯が進むような酒を目指しています。その一途な信念は、「朝日榮」をはじめとする相良酒造の酒に、静かに息づいています。

今まで「女性杜氏だから」と注目されることに倦厭して、表には打ち出していなかったようです。しかし今は、女性だからこそ表現できる繊細さや柔らかさを一つの個性と捉え、それを酒に映し出したいと語ります。

コンセプトは、「青葉にそっと寄り添う朝露」。凛としたキレと透明感を大切に、栃木の風土に寄り添い、お料理に寄り添い、飲み手の心に寄り添う。そんな「そおと寄り添うお酒」を、これからも丁寧に醸していきます。

朝露のように寄り添いながら、次の世代へ

次の世代に酒造りをつなぐこと。それが今、相良酒造にとって大きなテーマです。ユネスコ無形文化遺産への登録が話題となった昨今、日本酒文化の継承は社会的にも大きな関心を集めています。相良酒造でも、蔵として成長していくために、未来の担い手を育てることに力を注いでいきたいと考えています。

静かに、けれど確かに前へ。朝露のようにそっと寄り添いながら、相良酒造は次の一歩を踏み出しています。

蔵元:相良 沙奈恵

1989年、栃木県栃木市岩舟町にて誕生。東京農業大学 応用生物科学部 醸造科学科を卒業後、群馬県の酒類会社で2年間修行。2013年より家業である株式会社相良酒造に戻り、父の下で1年間お酒造りを学ぶ。当時、父が大病を患っていたこともあり、翌年2014年には製造責任者として本格的にお酒造りを担う。父の意志を継ぎ、より良い酒質を求め、現在に至る。2023年6月に開催された『G7日光男女共同参画・女性活躍担当大臣会合』のレセプションにて、『朝日榮純米吟醸』がお料理に合わせて提供された。日頃支えてくださっている方々へ、酒質向上という形で恩返しが出来るよう、愛情を込めてお酒造りを行っている。2011年唎酒マイスタ-取得(日本醸造協会) 2017年J.S.A.SAKE DIPLOMA取得(日本ソムリエ協会)

 

杜氏:相良 沙奈恵

同上