太田酒造場のはじまりは、今から約120年前の1909年。酒造りの技術を磨いていた初代が、親戚の蔵で杜氏として腕をふるいながら独立を果たし、酒造業を開いたのがその始まりです。商売からではなく「酒を造る技術」から始まったという、今では珍しい成り立ちです。
平成4年には杜氏の急病により酒造りを中断せざるを得ず、10年間は他蔵で造った酒を「辨天娘」として販売する日々が続きました。しかし「やはり自分たちの手で造った酒を届けたい」との思いから、平成14年に酒造りを再開。わずか一升瓶600本からの再出発でした。
原点に立ち返り、米を丁寧に発酵させた純米酒を軸とした造りへと大きく舵を切り、その酒は少しずつ県外の酒好きたちにも届くようになっていきます。困難と向き合いながらも、誠実に酒造りと向き合ってきた太田酒造場の歩みには、ぶれない信念が息づいています。