萩錦酒造は、1876年に初代・萩原新吉が創業した酒蔵です。場所は静岡市、駿河湾にほど近い「中島自噴帯」と呼ばれる湧水の豊かな地域。この豊富な水を活かすためにこの地を選び、酒造りを始めました。寒冷地が酒造りの主流だった時代において、柔らかく澄んだ湧水を使えることが大きな強みとなり、仕込みや洗米、洗い物に至るまで、全工程にこの水を用いるという姿勢は代々受け継がれています。
初代の時代には生産量も多く、タンク数も多かったそうですが、4代目の代に入り、特定名称酒を中心とした少量生産へと舵を切り、「静岡型吟醸造り」と呼ばれる丁寧な酒造りが本格化しました。現在は5代目・萩原綾乃さんとそのご主人が現場に立ち、自分たちの手で造りたい酒を形にするスタイルへと移行。お水の柔らかさとこの土地の特性を大切にした酒造りの精神は、今も変わらず息づいています。