倉本酒造

『KURAMOTO』『倉本』『つげのひむろ』
倉本酒造

伝統を守りニュースタンダードを醸す

150年以上の伝統を引き継ぐ

倉本酒造のはじまりは1871年。奈良の小さな集落「都祁村」で、地域の人たちの暮らしに寄り添うようにして生まれました。当時は、今のように全国に流通させるのではなく、地元の各家庭にお酒を作って、直接届ける小さな蔵でした。

灘の酒蔵に卸す「未納税移出」の酒造りを行う一方で、地元の家庭にも直接届ける商いを、昭和の終わり頃まで続けていましたが、現蔵元になる前に、酒造りをやめるかもしれない、という時期がありました。

当時乳業メーカーに勤めていた7代目倉本 隆司氏が、「もう一度やり直したい」という想いから、継ぐことを決意。家庭への配達中心だった時代から、酒販店を通してより多くの人に届けるスタイルへと転換し、新たな一歩を踏み出しました。

小さな蔵だからこそできる、まっすぐで丁寧な酒造り。その精神は、今も変わらず受け継がれています。

標高約500メートルの地で自然環境を最大限に活かす

倉本酒造が位置するのは、奈良市の標高約500メートルという高原地帯。冬には氷点下を下回る厳しい寒さ、そして夏でも夜はしっかり冷える気候。昼夜の寒暖差が大きく、米やお茶の栽培にも適した土地柄です。この地域では、古くから美味しいお米や「大和茶」と呼ばれる香り高いお茶が育まれてきました。

この自然豊かな地で、倉本酒造が大切にしているのが水です。蔵の裏手にある自家所有の山から湧き出る水を使い、酒造りを行っています。山の上という立地ゆえに、水の量を確保するのは簡単ではありませんが、山の手入れを怠らず、清らかな水を守りながら酒造りに取り組んでいます。この水は「軟水」に分類され、しっかり発酵させるには一工夫が必要なもの。それでも、思い描く味を表現するため、発酵温度を調整しながら丁寧な造りを実践しています。

また、地域の米も積極的に使用。契約栽培はこれから増やしていきたいという段階ながら、自社田の米や近隣農家から譲ってもらった米を使い、地域の風土を感じられる酒を生み出す努力を続けていま

自然とともにあり、土地の個性を引き出す酒造り。倉本酒造の酒には、この地ならではの恵みと工夫が込められています。

小さな蔵から生まれる、挑戦と誠実の一滴

倉本酒造の酒造りは、現蔵元と社員の2人を中心に、家族や親戚の手も借りながら進める小さな体制。だからこそ、原料選びから仕込み、瓶詰めまで、すべてに目を配る丁寧な酒造りができます。

現在ブランドは5つあります。古くから地元に親しまれる普通酒「金嶽」。奈良の米や自社田の米を使った地元を意識したお酒の「倉本」。そして2018年に現蔵元が立ち上げた「KURAMOTO」シリーズには、新たなスタンダードを目指す“スタンダードライン”と試験的かつ実験的な試みに挑むチャレンジラインでもある“BITライン”があります。さらに「つげのひむろ」は、奈良に伝わる“菩提酛仕込み”を、菩提山正暦寺で仕込んだ酛を使って実現したシリーズです。

地域に根ざしながらも、未来を見据えて常に進化を続ける倉本酒造。その酒造りには、風土に寄り添い、挑戦を楽しみながら丁寧に歩む蔵の姿勢が色濃く映し出されています。

伝統を守りニュースタンダードを醸す

倉本酒造が大切にしているのは“伝統を守りニュースタンダードを醸す”こと。
酒造りの基本や土台は、もちろんとても大切にしています。ただ、それにとらわれすぎず、今の時代に合った新しい日本酒のかたちを模索しています。

昔のやり方を続けるだけでは、日本酒そのものが時代に取り残されてしまうかもしれません。守ることは大切。でも、それだけでは「本当に残るもの」にはならない。だからこそ、伝統を大事にしつつも、少しずつ形を変えながら、未来につながる酒を目指しています。

奈良という土地は、古くからの文化や伝統にあふれています。でも、だからこそ変わっていく勇気も必要です。例えば奈良は昔は習字に使う炭が有名でした。しかし、今では使われなくなった炭も、筆ペンという身近な形に進化することで、現代に受け継がれました。伝統も時代に合わせて姿を変えていくもの。今を生きる人の心に届く日本酒を造ることこそが、私たちの役目だと思っています。

環境にも人にもやさしい、日本酒の新しいかたちへ

これからの酒づくりは、美味しさだけでなく「地球へのやさしさ」も大切になると倉本酒造は考えています。日本酒は冬の寒い時期に仕込むのが一般的ですが、それは冷やすことで繊細で香りのよいお酒ができるから。でも、地球温暖化が進み、お米も高温障害で変化してきている今、環境に負荷をかけながら作ることに疑問も感じるようになりました。

だからこそ、これからは冷却に頼らず、自然のままの温度でも造れるような新しい酒づくりに挑戦していきたい。たとえ最初は重たくて濃い味のお酒になっても、少しずつ理想の味へと近づけていきたいと考えています。

そして、もうひとつ大切にしているのが「人とのつながり」です。酒の味だけでお客様を増やすのは難しい。だから、イベントやコラボを通じて、お笑い芸人やアーティスト、飲食店などさまざまな分野の人たちと手を取り合い、日本酒をきっかけにした広がりをつくっていきたいと考えています。

酒が好きな人だけでなく、「ちょっと気になる」人ともつながる。そんな日本酒の新しいコミュニティを育てながら、これからも「美味しい」と思ってもらえるお酒を、まっすぐに、そして誠実に、日本酒の未来を見据えた酒造りを続けていきます。

蔵元:倉本隆司

1981年奈良市都祁生まれ 東京農業大学醸造科学科卒業後、森永乳業(株)へ入社。 もともと家業である酒蔵を継ぐつもりであったが、実家は業績不振の為継ぐことを断念し、就職した。食品業界での衛生に関するトップレベルの意識など、学ぶ事が多かった社会人時代であり、今に活きている。 しかしながら、日本酒造りへの想いは捨てきれず、2015年冬に前職をやめ、実家に戻り酒造りを始めた。 酒業界の事をほとんど知らずに酒造りを始めたことで、固定概念にとらわれずに酒造りに取り組んでいる。 日本酒を飲んで楽しく過ごしてくれる人が増える事を願って、お酒は弱いながらお酒造りに取り組んでいます。

 

杜氏:倉本隆司

1981年奈良市都祁生まれ 東京農業大学醸造科学科卒業後、森永乳業(株)へ入社。 もともと家業である酒蔵を継ぐつもりであったが、実家は業績不振の為継ぐことを断念し、就職した。食品業界での衛生に関するトップレベルの意識など、学ぶ事が多かった社会人時代であり、今に活きている。 しかしながら、日本酒造りへの想いは捨てきれず、2015年冬に前職をやめ、実家に戻り酒造りを始めた。 酒業界の事をほとんど知らずに酒造りを始めたことで、固定概念にとらわれずに酒造りに取り組んでいる。 日本酒を飲んで楽しく過ごしてくれる人が増える事を願って、お酒は弱いながらお酒造りに取り組んでいます。