兵庫県は、酒米の最高峰とされる「山田錦」の一大産地であり、特に「特A地区」と呼ばれる地域では、全国の蔵元が求める高品質な米が栽培されています。温暖な気候と六甲山系の清らかな水に恵まれたこの地は、日本酒造りにおいて欠かせない存在です。
酵母は協会系を中心に、蔵ごとの管理による多様なアプローチが見られ、香りは控えめながらも、深い旨みとキレを備えた酒質が主流です。特に灘五郷においては「宮水」と呼ばれる硬水が使われ、骨格のある辛口の男酒が醸されています。
スケールの大きな酒造業と高度な技術、そして最高品質の原料が揃う兵庫の酒は、まさに日本酒の王道を体現しています。その確かな味わいは、国内外で高い評価を受け続けています。