日本酒
北海道/福司酒造
五色彩雲 Jiri (ごしきのくも じり)
かつての日本酒には、"なんとなく繋がっていた人たちと、なんとなく酌み交わす"という文化がありました。しかし今はその曖昧さが失われることで、新しい関係性のかたちが求められています。 Jiriは、そうした変化を否定せず、むしろ受けとめることで生まれた一本です。酔うことだけが目的ではなく、同じ時間や空気を心地よく共有できるような、そんな新しい日本酒のあり方を模索しました。低アルコールでありながら、決して軽いだけではない味わい。甘さに頼らず、香りと質感、奥行きを意識した設計で、五感にそっと触れるような存在を目指しています。 名前の由来でもある「海霧(jiri)」のように、強く主張せず、でも確かに場の輪郭をやわらかく照らすような——Jiriは、そんな“あたらしい地酒のかたち”を問いかけるお酒です。
この設計を支えているのが、Jiri独自の酛造りです。特に今年注目したのは、乳酸菌の役割です。従来のように酸を生成する存在としてではなく、酵母の代謝を左右する“環境”に、わずかに関与する存在として乳酸菌を捉え、酛設計に活かしました 香りはマスカットやブドウを想起させるやわらかなトーンで、口当たりはなめらかに。 後味にはほんのりとした渋みや酸が残り、甘さに頼らない奥行きを感じられる仕上がりとしています。低アルコールであることが「物足りなさ」ではなく、「心地よい余白」として作用する——そんな存在を目指した、これからの“関係性に寄り添う酒”です。
おすすめの飲み方:
冷酒、常温
推奨保管温度:
冷蔵